前回も書いたけれど、こと地域観光の話になると、どうしてもみな
自分のことだけを考える、自分の魅力のことだけを考える傾向がある。

そこでは「消費者は、旅行先をいくつもの選択肢の中から選ぶ」
という至極当たり前の発想が抜け落ちてしまう。

観光資源について考えるとき、消費者のことを考えずにプロダクトアウト
な発想に陥らないようにしなければならない。

「いくつもある選択肢から選ぶ」ということを考えるときに参考に
なるのが「小売り吸引力モデル」(ハフモデル)だ。

ハフモデルとは、ごくごく簡単に言えば、

来店確率は、距離に反比例し、売り場面積:魅力に比例する

というものだ。

この売り場面積を「観光資源・観光地の魅力」に置き換えると分かりやすい。

遠くだったり、行きにくいところにある観光地は、その分「魅力」がないと
ダメ、だ。当然ながら箱根と張り合うには、箱根以上の魅力がないとダメだ。

これを理解してマーケティングを行わないところが多すぎる。

観光資源に「磨きをかける」というのは、こういうことだ。

長く、大変な移動をしたらそれに見合う魅力が必要だ。

ハワイには資源1つ1つの魅力だけでなく、いろいろなものがあり
数日過ごしても味わいきれない「魅力」がある。

ターゲット市場から距離がある場合、こうした「総合的な魅力」
も必要だ。

流行りの「ペルソナ」や「カスタマージャーニー」の目的を見失っている
ケースも多い。

ターゲット市場から離れている場合、こうした「ツール」をうまく使って
「総合的な魅力」をアップすることも大切だ。