長野県のTVを見ていたら、また、もったいないプロダクトアウトの例を見つけてしまいました。
ちょうど、営業に来た方もそうだったので、陥りがちなこととしてご紹介します。
Contents
地域名産のシルクとうなぎを組み合わせた
そのTVでは、「「うなぎのまち」をうたう長野県岡谷市のうなぎ料理店などが、もう1つの地元の特産品である「シルク」とかけあわせたうなぎの養殖に成功しました。
蚕のさなぎをエサにしたということで、その名も“シルクうなぎ”と名付けられ、17日、お披露目されました。」(NHK長野放送局)
これ、消費者はどう思うだろうか?
地域おこしはみんなしたいし、せっかく行われた地域おこしにケチを付けるつもりはない。でも、プロモーションがプロダクトアウト過ぎてもったいない。
とても簡単なことだけれど、
「蚕のサナギは栄養価が高く、これを餌にすると、臭みもなく
一般的なうなぎより1.3−1.5倍ほどふっくら肉厚な身になる」
という、「消費者のベネフィット」をまず主張するべきなのだ。
「ふっくら肉厚のうなぎ」の”理由”として、実は
岡谷名物の「養蚕」に使われる「蚕のサナギを餌にした」
というべきだ。ちょっとした違いだけれど、消費者のこと
を見ているのかどうか、がわかってしまう。
同じように、先日、長野特産の鶏肉の営業があった。
XXとXXをかけ合わせたもの、ということだけれど
「ちょっと身が硬い」「値段がブロイラーの数倍」
と言われてしまうと「長野だけで作られている」から
誰がそんな身が固くて値段が高いものを買うだろうか?
このように、地域の名産品をなにか、というと、
「その地域のもの」という以外に「競合優位な」
ベネフィットを持っていることが少ない。
よくある「なんとか牛」「なんとか豚」
「なんとかサーモン・鱒」などどこへ行っても
あるのだ。
「地のものが食べたい」といっても、まずくて
良いわけではない。「地のもの」=地域の特色を生かした
都会では食べられない美味しいもの、という前提があるから、
地のものが食べたいのだ。
ちょっとしたこと、なので注意したいものだ。