ホテル旅館はこれからどうなるのだろうか?それを知るには少し前からの
ホテル、旅館の状況を知る必要がある。

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団体旅行の時代

団体旅行全盛の時代、ホテル、旅館は金融機関に言われるがまま、団体旅行向けに
様々な投資を行っていった。100人以上も入れるような大宴会場、カラオケスナック
麻雀室、などなど。

この時代は、団体に対応した方が効率的だったし、おっさんたちに的を合わせておけば
良かった。

暗黒の時代

その後、団体旅行の減少、個人旅行化により、ホテル、旅館は多大な「遊休施設」
を抱えることになった。

この時代は、金融機関の不良債権処理と重なり、多くのホテル、旅館がそのあおり
を受け、人手に渡った。この時代、サービサーと言われる債権買取会社が、債権
を1割程度の格安で購入し、低価格のチェーンオペレーションを行うホテルに売却
していった。

伊東園のように、自社の関連でサービサーを持つ会社もあった。

金余りの時代

その後、世界的に金余りの状態になった。投資家は投資先を探したが、
都心のオフィスビル、マンションなども飽和し、ホテル、旅館が投資の
対象となった。

また、金融機関も貸出先がなかったこと、外国人観光客=インバウンド
の集客が国策となったこと、などから、再びホテル、旅館に投資が行われる
ようになった。

長く投資できなかったホテル、旅館はこぞって高単価個人顧客向けの
改装(和モダン、など)を行った。

コロナ前

コロナ前には、ホテル、旅館は一時は今までのないほど高稼働になったりしていたが、
徐々にで、金余りにより、ホテル、旅館への参入が相次いだり、ホテル、旅館の
新築が激増したことで、過当競争に陥りつつあった。高単価を狙った内装のホテル
が増えたことで、「きれいな和モダンのホテル・旅館」が普通になってしまい、
高単価を確保するのが難しくなった。

3年ほどでキャッ櫛津数が1.5倍になった京都が典型だが、他地区もかなり過当競争
に陥っている。

コロナによって

  • インバウンド顧客がなくなったこと
  • 国内顧客の移動もなくなったこと
  • すでにインバウンド顧客を当て込んでも供給過剰
    になりつつあったこと

に加えて

  • インバウンド顧客を当て込んで投資したこと

によって、今まで好調のように見えた小規模個人経営の旅館も危機に
陥っている、陥りつつある。

顧客数が多少戻っても、単価はそんなに簡単に戻らないだろうし、
供給過剰だから、売り上げは今までのようには上がらない。

供給過剰と、投資負担、はコロナに関係ないことなので、
コロナが収まっても収まらないだろう。

ホテル・旅館の生き残りの方向性

ホテル、旅館の生き残りの方向性は、マーケティングの方向性と基本的には
同じだ。今までは需要増(インバウンドや、投資先)により、和モダンの
FIT(個人顧客)向けにしておけば、何とかなった。

しかしこれからは、そうしたスペックだけで戦うのは無理、だ。

マーケティング3.0、4.0に合わせた戦略のアップデートが勝ち残る手、だ。

それは、実はホテルの戦略の基本と一致するのだ。