書店が進化している。
書店はもはや今までのような本を買う場所から、知的な時間を過ごす
場所へと変化している。
10年少し前、リゾナーレにブックカフェを作ろうとした時には、国内
にはブックカフェと言える様なところは「らくだ書店」しかなく、わざわざ
名古屋まで見にいったものだった。
その後、東京駅の大丸の中にもできたけれど「立ち読み歓迎」は、昔は
書店のタブーだったのだ。
今やTSUTAYAは、タリーズやスタバと組んで、どこでも書店で販売している
本を購入前でも喫茶スペースに持ち込んで読むことができる。
また、書店が雑貨を販売するようになって久しい。
これもリゾナーレのブックカフェを作ったときには、わざわざビレッジバンガード
の本店まで見に行って、写真をとって説明しなければならなかった。
今、新しいTSUTAYAは六本木店に限らず、知的なグッズに溢れている。
見ていて、知的好奇心が満たされるような、あるいは話題のグッズ、仕事に役立つ
グッズが、絶妙なバランスで置かれるようになった。
以前お話ししたように、今や街の書店は空前の灯火だ。
いろいろな工夫の中で、TSUTAYAの様な一店一店の規模の大きいところは、
雑貨、喫茶など、本以外の知的好奇心を満たす方向で進化している。
一方で街中の小さな書店は、打ち手が難しくなっている。専門特化できるのは、
バックの市場規模の大きな都心の一部の書店だけだ。
本というものは、既にスマホのから見ることができるネットの世界でほとんど
代替可能になってしまった。書店はスマホ、ネットで代替できないところに
活路を見いださなければいけない。
収益性はともかく、知的好奇心を見たし「人を集め続ける」ことには一応の
成果を納めているTSUTAYAなどは、今後、集めた人をどういかすか?に
さらなる可能性があるのかもしれない。