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クロネコヤマトが受注の総量を規制する、と言う記事が新聞
を賑わしていた。
宅配の労働負荷に限界、とのことだ。
受注の総量を制限する、とは言ってもどうやってやるのだろう?
夕方宅急便に行ったら「本日の宅配受付は終了」とかなるのか?
アマゾンでの注文も「出荷日と、注文時間の関係」が今よりゆっく
りになるのか?
ゆっくりになるだけでは、受注の総量は変わらないかも知れない。
急ぎで出すものは減っても結局は「送るものは送る」のだと、単に
タイミングがずれるだけだ。
アマゾンに値上げを要求=受注量制限のため
と考えると、実際には、送料の値上げを通じてアマゾンに「売り上
げを減らせ」「取扱数量を減らせ」と言っている様なものだ。
そんなことが可能なのか?
もし値上げの要求が受注量制限とは別の話だとしても、値上げで受
注量が減らなければおそらく状況は変わらない。少しくらいドライ
バーの賃金を上げたところで、ドライバーは増やせないだろう。
宅急便は、結局、配送のキャパは基本的に一定(ドライバーの人数、
一人あたりが一日に配れる個数)なのだと思うが、受注量は実際に
はわからない。「今日の便は出ちゃいました」と言われることはあ
っても「今日の受付数量は終了しました。明日以降に持ち込んで下
さい」や「明日の配達分は終了しました。配達が一日遅れます」と
は言われない。
結局受注が増えればその分配達員が頑張るしかないのだろう。
あれほどシステマチックな宅急便が、そんな原始的な事に頼るのだ
ろうか?と思うけれど、配達員の確保が難しい今となっては、「余
裕のある配送環境を保つ」のは至難の業だろう。
そう、これも、一部は「労働生産性」の問題である。
労働生産性に対しては、ヤマトは「再配達率を下げる為の工夫」で
対処しようとしているように見える。
「宅配ボックスの設置」「電話番号による識別で、予め、宅配予定
をメールでなど送り、在宅していない場合には”転送”を促す」等
だ。
一億総活躍、なんて言わなくても、日本人の生活は年々厳しくなっ
ているので、男女問わず、子供が居ても、働いている人は増えてい
る。昼間の在宅率はもっと下がるだろう。我が家も平日昼間に荷物
を受け取れる可能性はかなり低い。
個人的には、コンビニ受け取りをもっと拡充してくれれば、と覆う
けれど、それが増えすぎたら、コントはコンビニが「宅急便センタ
ー」になってしまう。
時間を減らす、再配達有料化といっているが、今度は、「指定時間
に厳しくなる」ことが予想される。「指定した時間に来なかったのに
再配達料は払えない」となるからだ。
一度こうなってしまうと変えるのはそんなに簡単ではない。