Contents
トランプで巻き起こっている「移民問題」は人ごとか?
トランプが大統領になることが決まった。
大統領になったら、穏健になる、と言う希望的観測もあったようだ
が、結局、移民排斥の状態は続きそうだ。
移民の問題の根本は、国単位で見たときに、現状が「同一労働同一
賃金」からあまりにもかけ離れていることだ。
この記事を見てもわかるように、米国で、トランプ支持者の労働者
は「不法移民に仕事をとられている」と主張している。企業の側か
ら言い換えると、「不法移民を使った方が、企業にとって良い」と
いうことだ。賃金が安いか?仕事の内容が良いか?その両方か?
いずれにしても、外国との「壁」(物理的か、法的か、などあって
も)が、国内労働者の高い賃金を保障しているのだ。
そして、近隣の国との格差の大きい国の代表は、日本である。
この表を見て欲しい。これが同じ労働に対する賃金の差である。
日本はダントツに賃金が高い。
この賃金の高さは、基本的には外国人の労働者を受け入れない
ことで成り立っているのだ。
TPPやグローバル化が進むと、「同一労働同一賃金」に近づいてくる。
東南アジアの方でも同じことができる仕事なら、企業は、東南アジア
に出してしまうのだ。
できあがったものを運べば良い、「パッケージ商品」は、基本的に
海外生産になる。国内では、人件費が同じことをしても何倍もかかる
からだ。製造に対する人件費比率の高い商品ほど、海外生産になる
ことになる。
日本の賃金が海外に比較して高いのは、生産性が
高いからではない
日本人の賃金が高いのは、日本国内では、外国人が同じことをできない
からだ。
もし、労働市場が開放されたら、今以上にコンビニや、ファストフードは
外国人労働者だらけになる。工場のようなコミュニケーションの必要の低い
職場はなおのこと、だ。日本の最低賃金は、東南アジアの人達にとっては、
賃金が3倍、4倍になるのだから、もうそれは喜んで働くだろう。
労働市場が解放されたら、外国人が職を得て働いて収めた税金で、日本人
が生活保護してもらうような状況が来るかもしれない。
労働者が国内に入ってこなくても、生産拠点は
海外に出ていってしまう。
今、工場のような職場が実は人気だ。
ホテル、旅館を運営していると、高校生など今まで旅館ホテルなどに
入社してくれた人たちが、どっと、工場などに流れている。
土日も休み、勤務時間が決まっていて、それほど朝も早くなく、夜も
遅くない(実は3交代だったりするけれど)職場は、朝が早く、夜も
遅く、土日が休みじゃないホテル、旅館に比べて働きやすいのだ。
でも、そうした職場は、日本の市場が人口減少に伴って小さくなって
いくこともあり、海外に移転してしまうことを今以上に考えなければ
いけないかもしれない。
トランプ効果で「保護主義」になれば、それはそれで、海外生産を強化
せざるを得なくなる。
国内にとどまっても、増加した外国人労働者に脅かされる可能性が高い。
(労働力人口が減るから)
今のうちに付加価値の高い仕事につくべきだ。