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トリクルダウンと言うけれど
娘の学費の請求が来た。
最近は、学費が払えず、国立に行ってくれ、という親が
増えているらしい。
今年行く予定であった、アメリカ研修も、娘の学校では
半数ほどが参加しないらしい。
参加しないというより、費用の負担ができないのだ。
学費の請求書にも、「経理部、学費サポートセンター」
と書いてある。学費は、ただ親から支払われるものではなく
なんとか手配してようやく払うものになっている。
昨日の新聞には、東京の大学の在校生の「近隣」比率が上がっている。
地方からの進学者が減っている
と出ていた。付加価値の高い仕事が首都圏など都市に集中しているので
ただでさえ所得の低い地方から東京に進学させるのは、本当に「困難」になっている。
地方の仕事は労働集約的なものが多く、工場など、一見生産性の高そうに見える
仕事でも実際には付加価値の低い「作業」であることが多い。
知的産業の少ない地方は、業種構成的にも所得が上がらないのだ。
今後、問題になるのは、地方の私立学校だ。
娘は、新潟の専門学校に行っている。この専門学校
は、全国屈指のグループだけれど、今後どうなるのか、わからない。
新潟市だけでは食べていくことができないだろうし、新潟以外から
学生を集めるには、結局首都圏と同じように一人暮らしの費用を負担
できる家庭をターゲットする必要がある。これは、結構困難だ。
だからなのか?この学校は一見オフィスビルのような感じの校舎だ。
生徒が減ったらさっさと学校を閉めてオフィスビル賃貸にだすのか?
おそらく単価のアップは難しだろうから、学生が減っても運営可能な
組織にするしか、ないだろう。
このまま、格差が広がると、日本全体が非効率化する
今のままの状態が続けば、地方故、また格差故に、高等教育を受けられない
子供が増えてしまうだろう。
学歴と、社会に出てからのパフォーマンスが比例する、なんていうつもりは
ないけれど、勉強したい人が勉強できない社会、教育レベルの低い社会が、
成長し続けることができるのだろうか?
今、世の中を牛耳っているバブル世代の、お金を使うことで楽しんで来た
人たちには理解できないほど今の子供は地味に楽しんでいる。
お金が稼げず、お金を使わない人たちが増えると、経済は縮小していく。
もう、縮小経済は始まっているのだ。
早く価値観を変えないと、経済の縮小に合わせて今の中流層は転落する。
資産を持っていない人は、経済の縮小に合わせて所得が減少していく。
高等教育を受けにくい環境は、子供の意欲を奪う。
地方の子供は驚くほど教育に対する向上心がない。
このままではだめだ。