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すき家が牛丼を60円引きして290円に
すき家を運営するゼンショーホールディングスは9月25日、「9月29日から
10月8日までの期間限定で牛丼並盛の価格を350円(税込み・以下同)から
60円値引きし290円で販売する」と発表した。
2013年12月以来だそうだ。
今年4月に牛丼並盛の価格を291円から350円に引き上げたばかり。牛丼の
値上げは人件費の高騰や牛肉価格の値上がりが背景にあった。
これにより既存店の売り上げは、単価アップと客数減により、差し引き0.9%の
減少だったそう。
1%程度しか売り上げは落ちなかったのですね、と言うのが正直な感想です。
吉野屋は1週間、西日本の店(全体の2割)で
吉野家も1週間、並盛りを80円引きの300円にするそうです。
規模から考えて、エリアテストと言うにはちょっと大きいし、
全国展開する時の代表性に乏しいような気もします。(テスト
と言う要素が無いわけではないと思いますが、、テストだけするなら
店舗限定でもできるでしょうし)
吉野屋の値引き幅は80円、すき家は60円なので、吉野屋の方が
思い切った価格になっています。
松屋はプレミアム牛めし50円引き
松屋は今のところ、マーケティングの原則に最も忠実な戦略をとっている
様に見える。
というのは、
価格改定の理由を明確に「価値アップ」にしたのは松屋のみ
松屋は価格改定時に首都圏では「プレミアム牛めし」を導入しています。
首都圏以外(私の地元の長野県も)は今までの牛めしなので、並盛りは、
290円、今までのまま、です。
従って、すき家や吉野屋が値下げしても、長野では、松屋と同じ、です。
レギュラー牛めしとプレミアム牛めしは併売していないので、実際には
食べ比べることはできないのですが、違うメニューにしたことで、価格
の高い理由付けは可能になっていると思います。
同じ商品の価格アップは、「売り手理由でしかない」
基本同じ商品を売っているのに価格を上げれば、売れなくなるのは当然です。
「値上げによる客数減は最初の3ヶ月」と思っていたらしき吉野屋も8ヶ月間
マイナスでした。
代替品の範囲が広い外食、ファストフードなどは、業界を近視眼的に見ている
と「業界全体が沈んだまま」になってしまう可能性があります。
価格を上げる、と言うことは相対的に代替品の魅力が上がる(牛丼の魅力が下がる)
ことですから。
松屋の独自路線が、安定的販売に効くのでは?
松屋は、以前から「牛めし以外」に力を入れています。
もちろん、松屋の設備が吉野屋などと違って牛丼以外のメニューに対応して
いる、と言う要因はあります。
松屋は、ずっと店舗の設備効率が悪くなるのを覚悟の上で、様々なメニューを
提供してきたのです。
結果、松屋は、牛丼業界だけで無く、カレー、ランチ定食などのニーズもとり
こんでいます。実際、松屋のカレーは美味しいと思います。
また松屋はとんかつなどの業態へも進出しています。
価格を上げるには、価値を上げるべき
価格と価値は釣り合っていないとまずいはず、です。
ユニクロは、週末にチラシを入れ、毎週末の様に値下げをする
ので「普段、定価ではばかばかしくて買えない。」と言われます。
同じものを、価格を上げて売るのは、困難です。
ホテル旅館は、曜日が違ったり、料理が違ったり、部屋が違ったりするので
全く同じと言うことは少ないのですが、、、、
そう、これらから考えると、
ホテル、旅館は商品の違いを明確に伝えるべき
であると言えると思います。
牛丼期間限定値下げ、結果はどうなるんでしょうか?