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価格を下げれば満足度は上がる。では、価格が上がるとどうなるか?
価格を下げれば満足度が上がることは前回お話しました。
では、価格が上がるとどうなるのでしょうか?
これは、あるホテルの実際の価格帯別顧客満足度です。
あなたのホテル、旅館でも、じゃらんネットから同じようなデータをとることが
可能です。
価格が上がると「そこそこ満足する」人が増える
価格の上昇に伴って、4点の顧客が増え、点数の低いお客様が減っていることがわかります。
多くの旅館、ホテルが同じような感じになると思います。
このホテルの部屋にはそれほど大きな差はありません。
価格が上がると「そこそこ満足」するのはなぜか?
価格が上がるとなぜ、4点の「そこそこ満足」が増えるのでしょうか?
それは、心理学の
認知的不協和理論
によって説明されます。
私はこれを学生時代、広告代理店志望者必読と言われた、チャールズ・ヤン氏
の「広告の科学」で知りました。
この本には、認知的不協和について、
「人々が、意見や態度、あるいはその他の事象に関して同時に2つの異なった認知を
起こした場合に心理的な不快感を抱くことを取り扱った理論である(中略)
認知的不協和が生じた場合には、消費者はメッセージを避けるか、あるいは都合良く
解釈したり忘れたりする」
と説明されています。例としては、
ある車の広告を一番真剣に、見るのは、実はその車を購入したばかりの人である
という説明もあります。
この本の他には、すっぱい葡萄などという話もあります。
なぜ、価格が高い満足しやすいのか?
これは、認知的不協和理論で説明できます。
高い商品を購入したとき、その商品が満足できるものではない、と言うことは
認知の不協和状態を起こします。
「良いと思って高い価格を払った」ことと
「高い価格なのに満足できない」
が不協和なのです。そうすると、どうなるか?
お客様は高い価格を支払ったのに満足できないのがいやなので、
「満足できることを探す」(高い価格が正当化されるようにする)
のです。
そう、
「お客様は満足したがっている」のです。
これが、価格が高いと、満足度があがる理由です。
ただし、ある程度の満足が得られないと、今度は「裏切られた」感覚から、酷い
評価になることもあります。
「悪い評価」を書いて「仕返し」するのです。
「お客様は満足したがっている」
ことを覚えておきましょう。