ホテル、旅館の再生にあたっては、まずは、そのホテル、旅館がどんな状態
なのか?確認する必要があります。
最も簡単にできるのは「損益分岐点分析」です。
<用意するもの>
- 過去数年分の月別PL(最悪、売り上げと営業利益)
- エクセル
<手順>
- 過去数年分の月間PLを、横に「年月」縦に「その月の売り上げ、利益」という
形でエクセルの表を作成します。イメージはこんな感じ
科目名 Jan-14 Feb-14 Mar-14 Apr-14 総売上 40,000,000 60,000,000 70,000,000 70,000,000 経常利益 -9,000,000 2,400,000 16,800,000 3,400,000 - 表の数字の部分のみを選択して「挿入」→「グラフ、散布図」を選びます。
こんな感じのグラフができるはず、です。
このグラフ、では、横軸が売り上げ、縦軸が利益になっています。
- グラフの中の点をクリックして、右クリックメニューより「近似曲線の追加」
を選択します。いろいろな近似曲線が出てきますが「線形近似」を選び、下の
方にあるボックスから「グラフに数式を表示する」にチェックを入れます。こんな感じの線が追加されます。
- 数式を選んで、ラベルオプションで「数値」を、「桁数」に表示したい
桁数を入力します。こんな感じです。
数式に表示される
y = 0.57778 x – 31,845,047.21085
が、御社の状態を表しています。
Xの前の数字が、粗利益率、その後のマイナスのついた数字が
「固定費」です。
損益分岐点売上高は、y=0とした時のXの値ですので、
マイナスのついた数字を、Xの係数で割れば出すことができます。
この場合は、55,116千円ほど、です。
私の経験では、旅館は、この線形近似、当てはまりが良いことが
多いです。
実際に作成してみると、意外なほど、うまく直線上に
並ぶものと思います。
特殊事情のあった月があれば、除けば
より当てはまりが良くなるでしょう。(実際には、先ほどの「近似曲線
の追加」のところで、「グラフに数式を表示する」のそばにある
「グラフにR-2乗値を表示する」にチェックすることで当てはまり
具合も見ることができます。1に近いほど当てはまりが良い、です)
10年前からの5年間と直近の2年間の比較、などもこの「散布図」と
「近似曲線の追加」を使って簡単に出すことができます。
一度試してみてはいかがでしょう?