まだ余震が続いていますし、原発も不安定
な状態が続いていて嫌な感じですね。
前回お送りした、今後の宿泊施設の対応について、日経ビジネスオ
ンラインでも3月23日に「サービス業を破綻から救え」という記
事が出ています。
この中では、「寄付を行うチャリティープランの設定」などが提唱
されていますが、実際に震災と何の関係も無い旅館が、この「チャ
リティープラン」を設定するのは難しいでしょう。
星野リゾートでは、3泊目までの料金で6泊可能なプランなどを打
ち出していますが、これも「売らんかなじゃないの?」という批判
もあるようです。(そもそも高いですからね。お金持ちは”今”支
援する相手じゃないと確かに思います)
楽天やじゃらんも同じようなチャリティーの設定のものを作ってい
ますが、楽天さんは、手数料がそのまま?だったりすべての予約に
対して自動的に100円義援金として引かれたり、と混乱もあるよ
うです。
前回申し上げた私たちにできること「できるだけリーズナブルな、
必要最低限の宿泊を提供する」の他に確かにチャリティーを行う、
というのはあるかも知れませんが、ただ「義援金を」と言うだけで
お客様が来るとは到底思えません。
では、どうしたら良いでしょうか?
先ほど申し上げたように、チャリティープランがチャリティーっぽ
くないのは、
「何であなたの宿泊施設がチャリティーをするの?」
というのが明らかでないからだと思います。チャリティーの方法は
他にもあるのです。だから、あなたのチャリティーを選んで頂くこ
とができなければ、チャリティープランなど設定しても駄目でしょ
う。
では、(2度目ですが)どうしたら良いでしょうか?
「集客の為にチャリティーをやろう」というのではおそらく駄目だ
と思います。来た人に何かすることはできても、「どうしようか
な」と思っている人を誘因することにはなりません。
そうではなく、チャリティーを行うことにみなさんの宿泊施設独自
の意味、やり方を加えなければならないと思います。
なぜチャリティーをしたいのか?どういう方法で貢献したいのか?
その想いが伝わらない限り人は動かないと思います。
例えば、「ペット連れ宿泊を行っている旅館」なら、被災地のペッ
トたちに何ができるか?を考えて、被災地のペットの「一時預か
り」を行ってそのペットと「散歩」してくださいませんか?
等、自分がどんな方法で貢献できるのか?を考えて企画を練るので
す。
繰り返しますが震災を利用して儲けましょう、と言うことではあり
ません。しかしながら、最低限の営業ができなければ、施設は破綻
してしまいます。これは、日経ビジネスでも言っている3次災害と
も言うべきものです。そして、それが少しでも震災を受けられた方
やその復興に役に立つのであれば、やる価値が高いのではないでし
ょうか?
筆者は阪神大震災後の3月、壊れてしまった三宮の店舗を見せに、
本社(海外)からのスタッフを案内しました。当時の南海サウスタ
ワーホテルに宿泊し、すき焼きの宴会を行った後に、三宮に向かい
ました。何か「テーマパーク」を見ているように普通の暮らしの行
われている横で被災してつぶれている家があったのを覚えています。
今回は東京の事務所も棚がすべて倒れるなどの実害があり、また、
震災の現場に比較的長く居たこともあり、現実感がない、と言うこ
とは無かった為、いち早く「自分は何をすべきか?」考えるに至り
ました。
こういうときこそ、家族、従業員、従業員の家族を守らねばなりま
せん。
その為にも、みなさんがんばって、会社を守りましょう。