前回は職場としての旅館を考えたときに、「中抜けシフト」(朝、
晩働き、日中は勤務時間として考えない)が旅館の特徴である、と
言うお話を致しました。
中抜けのシフトは、ほぼすべての旅館で行われている、と言っても
過言ではないほどであると思います。もちろん某リゾートが運営し
ている旅館でも行われています。
旅館を経営していて、中抜けシフトを避けるには、
日中の仕事と朝晩の仕事の両方ができる人を、
朝、晩だけ働く人の”倍”確保
しなければなりません。これは、なかなかできることではありません。
と言うことで、旅館で働くなら、勤務日には、早朝、深夜、日中休み
の勤務を覚悟する必要があります。
では、この勤務、他の業種と比較するとどうなのでしょうか?
勤務時間は本当に長いのでしょうか?
私の「東京の外資系企業の経験」と比較してみます。
外資系企業時代:
家を出るのは6時ー7時頃でした。それから満員電車に1時間半ほ
ど揺られ、職場に着きます。仕事は9時半から、17時半まで。そ
の後、残業して20時過ぎに退社し、家に帰るのは22時過ぎ頃で
した。
某リゾート:
家をでるのは、勤務開始の15分前(私は、問題解決専門職でした
ので、9時出社がほとんどでした。従って、8時45分頃です)。
子供が小さかった頃は、毎日幼稚園まで送ってから出社していまし
た。昼食は、家に戻れる時には戻って食べていました。
残業で20時過ぎになっても家に帰るのは15分後です。
就業規則上の、シフト上の勤務時間は長い?のですが、旅館での勤
務のもう一つの特徴である「職住接近」により、実際に一日に仕事
に使う時間(通勤時間含む)はあまり違いが無いかも知れません。
何に価値を置くか?にも依るのですが、「職住接近」は家族が大切
な私にとってとても有意義なことでした。
都心の会社でも一般の事務職と、旅館の一スタッフを比較すると
「中抜け」がある分だけ、旅館勤務の方が労働時間が短い位かも知
れません。
ただ、上を目指すのであれば、どちらにしても、それなりの労働時
間になることは避けられないはずです。
であれば、職住接近により、通勤時間が減ることや、通勤の大変さ
から解放されることは、意味があることであると言えるのではない
でしょうか?