今回からは旅館のマーケティング上の特性についてご説明致します。
最初は4Pの中のProduct=商品からお話ししたいと思います。
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旅館の商品
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旅館の商品って、何でしょう?
旅館は、何を売って、対価を頂戴するのでしょうか?
「一泊二食」だから、「夕食+睡眠+朝食」?
温泉旅館だから、この3つプラス「温泉」?
旅館は、何かものを持ち帰って頂く訳ではない(持ち帰って頂ける
ものもあるかも知れませんが)「体験型」「経験型」の商品なので、
「旅館に行こう、と思ってから帰るまで」お客様が経験するすべて
が商品であると言えます。
マーケティングの観点から旅館の商品を考えるとき、このお客様が
「旅館に行こう、と思ってから帰るまで」の体験の内、「旅館にコ
ントロール可能な要素」をどのように組み合わせるか?が、問題に
なります。
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旅館商品のマーケティング上重要な要素
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商品を作るには、「顧客から見た魅力」と「その魅力の伝達力」の
2つの要素を考えなければなりません。実は、ここが旅館のマーケ
ティングを行うのが難しい所以であると思います。
たとえば「ものすごくおいしい夕食」というのは顧客から見たら魅
力があるかも知れませんが「伝える」ことができません。伝えられ
ない「魅力」は、一度お客様に体験して頂くまで、お客様はそれを
知ることができません。ということは「一度お越し頂く為の商品
(の魅力)」にはなり得ないということです。
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魅力を伝える難しさ
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では「伝えられる魅力」とはどんなものなのでしょうか?
「伝えられる」を考えるには実は「何を使って」(媒体)「誰に」
(ターゲット)の両方を考える必要があります。
今、もっとも多くの旅館が頼りにしているのは「旅行代理店」と
「ネット」だと思います。この2つについて、考えてみたいと思い
ます。
まず、旅行代理店ですが、何を使ってお客様に魅力を伝えるのでし
ょうか?
一般個人顧客について考えると「紙媒体」=パンフレット
ではないかと思います。
それでは、多くの他社も一緒に載せられているパンフレットの中で
魅力を伝えるにはどうしたら良いでしょうか?
紙媒体で表現可能なのは「言葉」と「写真」です。「言葉」と「写
真」で魅力を伝えるとどうなるのか?
現状の「紙媒体」、パンフレットだけでなく、旅行雑誌等を見て頂
くと分かるのですが、どの旅館の食事も同じに見えるとは思いませ
んか?
これが、紙媒体で「魅力を伝える」現実なのです。
では、ネットはどうでしょう?
確かに動画などを使えることも増えましたが、基本は「体験型の商
品である」ということなので、そんなに大きな差はありません。
従って、「同じ媒体に載る」ことを考えると、他社より魅力的であ
るためには
・ 特典、食事の品目数が多い
・ 魅力的なもの(食事で言えば、カニ、鮑、エビ、和牛など)が
付いている
・ 価格が安い
・ 施設上魅力的な要素が付いている(個室露天風呂など)
・ 写真がすごく魅力的である
位しかない、と思います。
これほど、平面媒体で魅力を伝えるのは難しいのです。
では、魅力はどうしたら伝わるのでしょうか?
次回お話ししたいと思います。