前回は、商品戦略のお話から、
・ 「商品力」と「伝達力」の両方が必要であること。
・ 実は「伝達力」についてもっと考えることが重要であること
・ リピーターは重要であるが、新規顧客の獲得が生き残りには必
要
と言うことをお伝えしました。
前回までのお話で
結局いろいろな旅館が一度に載るような媒体では、
・ 価格の安さ、
・ 付属するもの(おまけ?)の多さ、
・ 施設(個室露天風呂、貸し切り風呂)
等、明示できる「差」以外は、商品の魅力の「差」として伝わらな
い、と言うお話を致しました。
そうは言っても、他にどうしようもないじゃない?
と仰りたいのではないかと思います。
実際、対策がないままに「これではだめ」
と言われても仕方がない、と言うことだと思います。
それではもう少し、この「差がつかない」ことについて考えてみよ
うと思います。
いろいろな旅館が一度に載る、とは、一体どのくらいの数なのでし
ょうか?
・ ゆこゆこ 800
・ 楽天 2万以上
・ じゃらん 1万5千以上
全国であったり、ビジネスホテルが含まれていたりする、と言う問
題はありますが、基本的には、すごいたくさんの中から選ばれる、
と言うことです。
首都圏近郊の温泉地を考えてみても、箱根、熱海、伊東、草津、伊
香保、日光、鬼怒川など著名な温泉地がたくさんあり、その中にま
たたくさんの旅館がひしめいています。ネットであなたの旅館が選
ばれるためには、その関門をいくつもくぐり抜けなければなりませ
ん。
もし、本当に差がつけられないのだとしたら、お客様は「数学的確
率」でしかあなたの旅館にこない、と言うことになります。単純に
ゆこゆこ、なら八百分の一(0.125%)ということです。
全国平均の旅館の客室稼働率は30%程度ですので、平均的な営業
を行っているなら、30%の客室稼働率で、黒字運営ができる位に
原価を調整しなければなりません。
しかしながら一般的に旅館は、現実よりも高い客単価を設定し、
60%前後の客室稼働率を設定して経営計画を立てて、お金を借り
ているはずです。
ネットエージェントで、普通の契約をし、数学的確率で落ちてくる
お客様を狙っていたのでは、とても旅館を維持することはできませ
ん。
では、どうすれば良いのでしょうか?
その鍵は「リーチできるターゲット」(見込み客を特定しやすい)
ことと、「リーチする為のコスト」という、「伝える力」側からも
考えることです。どのメディアを使って(あるいはメディアを使わ
ずに人で)どういう人たちに伝えるのか?
何を伝えるのか?だけではなく「誰に、どうやって」を考えること
が重要になります。
次回からは「誰に、どうやって」についてお話しします。