今回は、ちょっと脱線して。

昨日、ビデ倫(アダルトビデオの審査をしている団体)が警察に
わいせつ物なんとか幇助と言うことで、捜索された、と言うことが
ニュースになっていました。

ビデ倫は、アダルトビデオの「モザイク」を審査していた(適正かどうか)のだそうですが、その審査が「緩くなった」(消しが薄くなった)のが今回の捜索の理由の様です。

アダルトビデオの話しがなんで、スパと関連しているのか、分かった方は業界通です。

アダルトビデオはおそらく法律的には
丸見え=>黒
全然見えない=>白
モザイク=>灰色
と言う3つの段階があるのだと思います。

今回は、モザイクがあるのに黒と判定された、と言うことになります。
おそらくモザイクは趨勢としてだんだん薄くなったのでしょうし、今や
インターネットで無修正も見放題、駅で売っている週刊誌もヘア解禁
と言うことで、流れとしては、どんどん規制が緩くなってきていたのだと思います。

スパと何が関係あるのか、と言うと、”トリートメント”と”マッサージ”や”効果効能”という部分についてです。

まず簡単な効能効果についてご説明します。

エステ業界では、今や「結果を出さないと」というのは当たり前で(結果、というのはやせた、とか、しわが減ったとか言うことです)そうした広告も目につきます。

おそらく皆さんが知らないところで保健所から指摘されて訂正したり、と言うことがかなり起こっているはずです。

例えば、シャンプーの広告に「枝毛を直します」などと書いたら確実に保健所に呼び出されます。シャンプーでは枝毛は直せないはずだからです。
1日でウエストがXXcm減ります。等というのは、この視点からするとかなり怪しい、きわどい表現であると言えます。

現実の世界では、「みんなやっているから」と表現がどんどんエスカレートしていますがこれも、ビデ倫の話しと同じように何時、「誇大広告」と指摘されるか、分かりません。

トリートメントとマッサージについては、法律的には「あん摩、マッサージ、指圧」は国家資格を持っている「あん摩マッサージ指圧師」しか行えない「医療類似行為」と言うことになっています。
あん摩、マッサージ、指圧師以外の人がマッサージを行うと「違法」かも知れないのです。

数年前までは、どこのスパ施設もリフレクソロジーやさんも
「コリがとれる」とか「マッサージ」
等の表現を慎重に避けていました。
だから、「ボディケア」とか「リラクセーション」とか、「エステ」とか言っていたのです。

ところが最近では「タイ古式マッサージ」を始め、リラクセーション系の施術でも「マッサージ」と言うところが増えてきました。都心に新しくできたスパ施設はもうほとんど「マッサージ」と言っていると思います。

厚生労働省の正式な見解はかんたんに言うと「マッサージ、と言っているかどうかが問題なのではなく実態としてマッサージを行っているかどうかが問題」
と言うことなので、なんと言っていても、結局マッサージをしていたら同じ、と言うことなのですが、自分で「マッサージ」と言ってしまうと言い逃れが出来ません。
「丸見え」と言っているようなものですから。注意が必要です。

一方では、タイのマッサージセラピストを日本に連れてこようと言う話しが経済産業省にはあります。タイのセラピストにあん摩、マッサージ、指圧師の資格をとってもらうのはかなり難しい(健常者が資格を取得するには3年、500万円かかると言われる)と思うので、これは日本の実態をベースに考えていると思われます。経産省では海外のスパ資格や、アロマ、エステの資格なども研究されているようですから。

何れにしても政府の規制の方針は、我々のビジネスに予期せぬ大きな変化をもたらします。

わかりやすい基準が欲しいものです。