旅館を再生する方法は大体同じようなものだ、と書きました。
旅館を再生する為に必要なのは、当たり前ですが、売り上げを増や
しコストを減らすことです。
売り上げを上げるために一般的に行われている方法は
・ 高級旅館へ改装（お金があれば）
・ 特徴ある商品の開発（なかなかやり方がわからない様です）
・ 年中低価格販売（ノウハウがあれば）
・ ターゲットの変更（これもなかなかわからない様です）
等があります。
一方でコストの削減には
・ エージェント依存の脱却（大都市圏から車、新幹線などで行け
る範囲なら可能性は結構あります）
・ 手待ち時間の解消（マルチジョブというか、仕事の垣根を外し
て、みんなペンションのオーナーの様に何でもやりましょう、
と言うこと）
・ 手間のかかる割に顧客満足につながらないサービスの変更（料
理の部屋出し→食事処へ、部屋の冷蔵庫廃止など）
・ 料理の変更、仕入れ先再検討、在庫管理の強化
等があります。コスト側は大半がオペレーションの変更だけで可能
なので、まずはこの部分から手をつけることが多いようです。
この様に「解決方法は大体わかっている」にも関わらず、なかなか、
再生を軌道に乗せるのは難しいと言うのが現状の様です。
理由は、ごく簡単に言い切ってしまうと「やれば何とかなるとは思
っているができない」からです。
思っているけれどできないのは、
・ どうやったら良いか分からない。
・ きっかけがない
からです。
多くの著名な方が仰っていますし、皆さんも経験があるかもしれま
せんが「始める」というのは、結構たいへんなことなのです。
私たちは、オペレーション改善のきっかけとして「スパ」を、自社
運営でできるだけ現有のスタッフを中心にして入れる、ことをお勧
めしています。
私たちがコンサルティングに入ってスパを導入する意義は
・ 現有スタッフでスパを導入するためには、理屈上はオペレーシ
ョン改善を同時に行わざるを得ない（手待ち時間でできてしま
う可能性もありますが）ので、オペレーション改善を同時にス
タッフと一緒に進めることができる大義名分になる
・ スタッフが「やればできる」という成功体験を持つことができ
る
・ オペレーション改善やスパ導入のための「マーケティング」に
ついて、スタッフと”一緒に”考えることで、スタッフの思考
力、マーケティング力をつけ、またスタッフの頭にある「これ
はだめなんじゃないか」という枠を外して考える体験をするこ
とができる
等です。
スパが入って、もちろんサービスが増え、お客様の満足度も上がり
売り上げもあがるかもしれませんが、おそらくそれよりももっと意
義のある、様々な再生プロセスの「きっかけ」となることができる
と思います。
実際に我々の経験では、スパの導入をきっかけとして、今までバラ
バラだった、仲居、フロント、予約、調理が一体となり、スパサー
ビス実施の為に様々なアイディアを出し合い、人員を増員すること
なしに、サービス（仲居＋フロント）スタッフ２０人の半数をセラ
ピスト兼任にできたという例もあります。
その他にもスパサービスを行うことで、サービススタッフの対応が
より丁寧になったり、お客様とスパで会話することでお客様の情報
を獲得し、夕食のサービスに役立てることができるようになったり、
何より、他のスタッフとの情報交換が行われやすくなり、お客様の
情報が様々なところで使えるようになったり、それによって、様々
なスタッフが様々な場面でお客様にサービスの提案ができるように
なったり、等と言うことが起こってきます。
皆さんのスタッフはおそらく皆さんが想像している以上に能力を持
っていますし、皆さんの旅館を何とかしたいと思っているはずです。
どうしたら良いのか、は分かるけれど、なぜか始められない、初め
てもどうにも上手くいかない、なにをしたら良いのか分からない、
と言う方、是非一度ご相談ください。
