スパの商品開発を行う、というと、すごく難しい感じがしますが、基本の進め方は同じようなモノです。

注意しなければならないのは、「我々は他社にない”本格的な”スパを作りたいのだ」と考えて、各セラピーの専門家に話を持っていった場合です。

セラピーの専門家はそのセラピーの専門家であって、「他のセラピー」との違いとか、お客様がそのセラピーに望んでいるモノとか、そうしたことはあまり分からないのです。

もしいくつかのセラピーを導入しようと言うのなら、皆さんの「売店」に商品を並べる時に考えたことを思い出してみてください。

どの商品にどんな特徴があって、どう違うのか、どんなお客様には何をお勧めしたら喜んで頂けるのか?考えますよね。

スパに於ける各セラピーの専門家は、売店の例で言うと、それぞれの商品のセールスマンみたいなモノなのです。私たちの商品は、どんなお客様にも、どんな時にも喜んでいただけますよ、と言う感じの紹介になってしまうのです。他社扱いの商品ですごく良いものがあっても中々勧めてはくれないのです。

セラピーが売店より悪いのは、セラピーには「信じる者が救われる」的な、ちょっと宗教がかったところがあることです。上手な人ほど「信じ込む」度合いが高いかも知れません。個人で、そのセラピーを専門にやって行くには良い資質なのかも知れませんが、様々なセラピーをお客様のニーズに合わせて行いたい場合にはそれが足かせになってしまうことがあります。

商品開発の時には、さまざまなセラピーを一度「お客様の視点」で整理してみることが必要です。皆さんがさまざまなセラピーを体験してみて「このセラピーはここが良い」とか「こんな時にこんな感じで受けたい」とか思えれば、それをベースに考えることができます。

セラピーなんて全く知らない?

まずは、自分でいろいろと体験してみることをお勧めします。

食べたことのないメニューは、お客様に出しませんよね。試食は必ずすると思います。

今から皆さんは「タイ料理を出そうか、インドネシア料理を出そうか」みたいな決断を迫られるのです。食べない訳にはいきませんよね。